福島県で産業廃棄物中間処理施設の設置に必要な許可を解説

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産業廃棄物の中間処理施設を設置し、他者から受け入れた産業廃棄物を破砕、焼却、脱水などする場合には、産業廃棄物処分業許可と、施設を設置するための許可がそれぞれ必要になります。

処分業許可と施設設置許可は、対象が異なる別の許可です。さらに、福島県では、廃棄物処理法による施設設置許可の対象にならない機械・設備についても、県条例により産業廃棄物指定処理施設の設置許可制度が設けられています。

そのため、廃棄物処理法による許可制度と福島県条例による規制の関係を、順を追って確認することが重要です。

中間処理施設を設置する場合には複数の許可が関係する

中間処理施設に関係する許可を整理するには、まず、「誰の廃棄物を処分するのか」と「どのような機械・設備を設置するのか」を分けて考える必要があります。

他者の産業廃棄物を受託して処分する場合には、産業廃棄物処分業許可が必要です。一方、中間処理に使用する機械・設備については、その種類や処理能力によって施設設置許可が必要になります。

他者の産業廃棄物を中間処理するには処分業許可が必要

まず、産業廃棄物処分業許可は、他者から産業廃棄物の処分を受託して業として行う場合に必要となる許可です。

廃棄物処理法では、産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならないと定めています。これが廃棄物処理法14条6項の産業廃棄物処分業許可です。

中間処理は廃棄物処理法上の「処分」にあたる

「処理」と「処分」は同じ意味ではありません。廃棄物の「処理」は、収集・運搬や処分などを含む広い概念です。一方、「処分」には中間処理と最終処分が含まれます。

福島県産業廃棄物処理指導要綱では、中間処理を、最終処分または再生利用に先立って行われる人為的な操作と定義しています。

したがって、産業廃棄物を破砕、焼却、脱水などする中間処理は、廃棄物処理法上の「処分」にあたります。他者から産業廃棄物を受け入れてこれらの中間処理を行う場合には、処分業許可が必要です。

中間処理は破砕や焼却だけではない

中間処理というと、破砕や焼却をイメージしやすいですが、それだけではありません。福島県の要綱では、切断、圧縮、圧縮梱包、選別なども中間処理に含まれるとされています。

実際に、廃プラスチック類等の選別施設、廃プラスチック類の圧縮梱包施設、金属くずの圧縮施設などについて、産業廃棄物指定処理施設として事業計画が提出されています。

一例をあげると、2026年には、処理能力4.992t/日の廃太陽光パネルの破砕・選別施設についても事業計画が公表されています。

自社の産業廃棄物を自ら処分する場合は処分業許可が不要

自社の事業活動から発生した産業廃棄物を自ら処分する場合には、産業廃棄物処分業許可は必要ありません。

ただし、処分業許可が不要であることと、中間処理に使用する機械・設備について施設設置許可が不要であることは別です。自社処理であっても、設置する施設が一定の種類・処理能力に該当すれば、廃棄物処理法による施設設置許可が必要になります。

中間処理施設とは廃棄物を処分する機械・設備をいう

「産業廃棄物処理施設」という名称から、工場や建物をイメージすることがあります。しかし、中間処理施設とは、産業廃棄物を破砕、焼却、脱水などする機械・設備そのものを指します。

例えば、がれき類の破砕施設であれば、工場の建物ではなく、がれき類を破砕する破砕機・破砕設備が処理施設にあたります。

施設設置許可では設置計画についても審査される

許可の対象となるのは機械・設備ですが、許可申請で機械の型式だけが審査されるわけではありません。施設の設置場所、処理能力、位置や構造などの設置計画、維持管理計画についても審査されます。

「処理施設が何を指すのか」という問題と、「施設設置許可の審査で何が審査されるのか」は分けて考える必要があります。

一定の種類・処理能力の施設には法による設置許可が必要

すべての中間処理施設が廃棄物処理法による施設設置許可の対象になるわけではありません。許可対象となる施設は、その種類と処理能力によって定められています。

この基準を定めているのが廃棄物処理法施行令7条で、該当する施設を設置する場合には、廃棄物処理法15条の産業廃棄物処理施設設置許可が必要です。

主な中間処理施設の基準は次のとおりです。

中間処理施設 法の許可対象となる基準
汚泥の脱水施設 10㎥/日を超えるもの
汚泥の乾燥施設 10㎥/日を超えるもの(天日乾燥は100㎥/日を超えるもの)
汚泥の焼却施設 5㎥/日を超えるもの、200kg/時以上のもの、または火格子面積2㎡以上
廃油の油水分離施設 10㎥/日を超えるもの
廃油の焼却施設 1㎥/日を超えるもの、200kg/時以上のもの、または火格子面積2㎡以上
廃酸・廃アルカリの中和施設 50㎥/日を超えるもの
廃プラスチック類の破砕施設 5t/日を超えるもの
廃プラスチック類の焼却施設 100kg/日を超えるもの、または火格子面積2㎡以上
木くず・がれき類の破砕施設 5t/日を超えるもの
その他の産業廃棄物の焼却施設 200kg/時以上のもの、または火格子面積2㎡以上

このほか、PCB廃棄物、石綿含有産業廃棄物、水銀関係の施設なども施行令7条に定められています。

例えば、がれき類の破砕設備の処理能力が1日5トンを超える場合には、法15条の施設設置許可が必要になります。

法の許可対象外でも福島県では施設設置許可が必要になる

法の許可対象に該当しない場合でも、福島県ではそこで確認が終わるわけではありません。福島県では、廃棄物処理法15条の対象にならない施設についても、県条例による許可制度が設けられています。

福島県産業廃棄物等の処理の適正化に関する条例では、法15条の産業廃棄物処理施設を除く産業廃棄物の処理施設を「産業廃棄物指定処理施設」とし、知事の設置許可を受けることを求めています。

したがって、県条例が適用される区域では、施行令7条に該当する施設は廃棄物処理法15条の施設設置許可、施行令7条に該当しない施設は福島県条例による産業廃棄物指定処理施設の設置許可の対象になります。

法15条と県条例のどちらかを任意に選択するのではなく、設置する機械・設備が施行令7条に該当するかによって、適用される制度が分かれます。

自社処理施設には条例上の例外がある

県条例では、自社の事業活動に伴って産業廃棄物が発生する事業場に、その事業者が産業廃棄物指定処理施設を設置する場合には、条例による設置許可は必要ありません。

一方、自社の産業廃棄物を処分する施設であっても、事業場外に設置する場合には、この例外の対象にはなりません。また、設置許可の対象外となる自社処理施設についても、条例で定める技術上の維持管理基準に従う必要があります。

福島市・郡山市・いわき市には県条例が適用されない

県条例は、福島市、郡山市、いわき市の区域には適用されませんが、3市で法15条に該当しない中間処理施設について何の手続きも必要ないという意味ではありません。

各市では、それぞれの産業廃棄物処理指導要綱等に基づき、法15条の対象外となる中間処理施設についても届出、受理、設置後の検査などの手続きが定められています。そのため、施設の設置場所が3市にある場合には、県条例ではなく、施設所在地を管轄する市の制度に従って手続きを進める必要があります。

福島県では施設の設置前に立地基準を満たす必要がある

許可の種類を確認した後は、施設をどこに設置するかという立地面の検討も必要です。福島県で中間処理施設を設置する場合には、法や条例の施設設置許可だけでなく、その前段階で施設予定地についての確認が求められます。

福島県産業廃棄物処理指導要綱では、施設の計画にあたり、別に定める「産業廃棄物処理施設の立地等に関する基準」を遵守することとされています。

私が県へ事前相談を行った際には、この立地基準は相談の段階で資料として交付されました。立地基準には、他法令への適合性や周辺住民等との関係など、施設予定地について検討しなければならない事項が定められています。

周辺住民等の同意取得が大きなハードルになる

福島県の指導要綱では、事業計画に関する添付書類として、隣接土地所有者、周辺居住者、搬入道路周辺の居住者、地区代表者などの同意書等が求められています。地元住民等との調整状況を記載する様式も設けられています。

ただし、福島県では、同意を得るべき範囲が「施設から半径何百メートル以内」などと一律に定められているわけではありません。施設の種類や規模、周辺の土地利用状況、搬入経路などを踏まえて同意取得の対象範囲を検討し、その範囲を設定した理由を合理的に説明できるようにする必要があります。

この点、廃棄物処理法による施設設置許可では、周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされていることも許可要件となります。騒音、振動、悪臭、粉じん、搬入車両の通行など、周辺住民が懸念する事項は、施設の許可審査とも関係します。

このように、中間処理施設の設置では、周辺住民等の同意取得が実務上大きなハードルになることがあります。土地の取得や施設計画を具体化する前の段階で、予定地の周辺状況を把握し、所管する行政庁へ相談しておくことが重要です。

指導要綱に基づく事前手続きを経て施設設置許可を申請する

福島県が所管する区域で法15条または県条例による許可を要する施設を設置する場合には、許可申請の前に、福島県産業廃棄物処理指導要綱に基づく手続きを進める必要があります。大まかな流れは次のとおりです。

事前相談
  ↓
産業廃棄物処理施設等設置等事業計画書の提出
  ↓
関係行政機関や地元住民等との調整
  ↓
環境影響調査
  ↓
事前協議
  ↓
施設設置許可申請

施設設置許可を受けた後は、許可された計画に従って機械・設備を設置します。法15条の施設も、県条例による指定処理施設も、使用前検査を受け、設置に関する計画に適合していると認められた後でなければ使用できません。

中間処理施設の計画は早い段階で事前相談を行う

ここまで見てきたように、産業廃棄物の中間処理事業では、他者の廃棄物を処分するための処分業許可と、中間処理に使用する機械・設備についての施設設置許可をそれぞれ検討する必要があります。

さらに、福島県では、法による施設設置許可の対象にならない機械・設備についても、県条例による規制があります。施設を設置する予定地については、立地基準への適合や周辺住民等との調整も必要です。

行政との事前相談にあたっては、施設の予定地と使用する機械・設備を具体化しておく必要があります。土地の取得や施設整備を本格的に進める前に、所管する行政庁へ相談し、必要となる許可や手続き、立地上の問題がないかを確認しておくことが重要です。

 

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