建設業許可取得後に必要な変更届と提出期限を行政書士が解説

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役員が退任した、営業所を移転した、営業所技術者等が退職することになった。このような変更があったとき、登記や社内手続きだけで終わったと思っていないでしょうか。

建設業許可を受けている会社は、会社や営業所、許可要件に変更が生じた場合、許可行政庁へ建設業許可変更届を提出しなければなりません。

変更内容によって、届出期限は2週間以内または30日以内に分かれます。特に2週間以内の届出は、変更後に準備を始めても、必要書類の取得や後任者の確認が間に合わないことがあります。

また、常勤役員等や営業所技術者等が退職し、許可要件を満たさなくなった場合も、届出が不要になるわけではありません。届出をしないまま営業を続けると、更新手続きや監督処分に影響する可能性があります。

この記事では、建設業許可取得後に必要となる主な変更届、提出期限、未提出のままにするリスクについて、福島県の手続きを踏まえて解説します。

建設業許可の変更届を提出しないままにしてはいけない理由

変更届を提出しないままにすると、許可行政庁に届け出られている内容と、実際の会社の状態が一致しなくなります。登記上の変更を済ませていても、建設業許可の変更届が自動的に行われるわけではありません。

届出義務に違反した場合は、変更の内容、遅延期間、許可要件への影響などにより、建設業法に基づく指導や監督処分の対象となる可能性があります。具体的な対応は、違反の内容や程度を確認したうえで許可行政庁が判断します。

監督処分を受けた場合、その内容は監督処分簿などで公表されます。福島県の許可業者にとっては、取引先や発注者からの信用にも影響しかねない問題です。

特に注意が必要なのは、単なる会社情報の変更ではなく、許可要件に関係する人が退職した場合です。要件を欠いた状態を届け出ず、従前の許可が有効であることを前提に営業を続けることはできません。

変更届には2週間以内と30日以内の提出期限がある

建設業許可の変更届は、変更内容ごとに提出期限が定められています。主な区分は次のとおりです。

提出期限 主な変更内容 注意点
2週間以内 常勤役員等やその補佐者、営業所技術者等、令3条使用人の変更 許可要件や営業所の体制に関係するため、早い対応が必要
2週間以内 健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入状況の変更 従業員数だけの変更とは提出時期が異なる
2週間以内 常勤役員等や営業所技術者等を欠くなど、許可要件を満たさなくなった場合 届出に加えて一部廃業などが必要になることがある
30日以内 商号、所在地、資本金、役員等の変更 法人登記とは別に建設業許可の変更届が必要
30日以内 営業所の名称・所在地、新設、廃止、営業する業種の変更 営業所技術者等や令3条使用人の削除を伴う場合は、2週間以内の届出も必要
30日以内 建設業の全部または一部を廃業した場合 許可を維持できない業種だけを廃業する場合もある

福島県の建設業許可申請の手引きによれば、常勤役員等、営業所技術者等、令3条使用人、保険加入状況に関する変更は2週間以内、商号、役員、資本金、営業所などに関する変更は30日以内とされています。許可要件を欠いた場合は2週間以内、廃業の場合は30日以内です。

2週間以内の届出には、許可を維持するための体制に関係する変更が多く含まれます。30日以内の届出には、会社の基本情報、役員、営業所などに関する変更が多く含まれます。

期限は、原則として変更が生じた日から数えます。法人登記が必要な変更でも、登記が完了した日から30日以内と考えてよいとは限りません。

役員であれば就任日や退任日、営業所であれば実際の移転日など、どの日が変更日に当たるかを確認する必要があります。登記手続きが終わるまで待つと、変更届の期限が迫っていることがありますので注意が必要です。

許可要件を満たさなくなった場合にも届出が必要

常勤役員等や営業所技術者等が退職し、代わる人がいない場合には、許可要件を欠くことになります。この場合、「変更できる人がいないから、変更届も提出できない」と考えるのは適切ではありません。

許可要件を欠いた場合には、様式第22号の3により、その事実を2週間以内に届け出なければなりません。営業所技術者等の後任者を配置できず、許可要件を満たせない業種がある場合は、その業種について一部廃業の届出が必要です。すべての許可業種について要件を満たせない場合は、全部廃業の届出が必要です。

許可は退職と同時に形式上消滅するわけではありませんが、要件を欠いたまま、許可を受けていることを前提に許可が必要な工事を請け負うことはできません。後任者の確保は、退職後ではなく、退職が決まった段階で検討すべきです。

営業所技術者等が退職する場合

営業所技術者等が退職する場合の基本的な考え方は、次のとおりです。

退職時の状況 必要な対応 許可への影響
要件を満たす後任者がいる 後任者への変更を2週間以内に届け出る 要件に空白がなければ許可を継続できる
他の営業所から要件を満たす人を配置できる 常勤性や担当業種を確認し、必要な変更届を提出する 営業所全体の配置変更を確認する必要がある
要件を満たす後任者がいない 要件を欠いたことを届け出て、該当業種の廃業などを行う 従前の許可を前提とした営業は継続できない

資格者が社内にいるだけでは、必ず後任者にできるとは限りません。担当する許可業種に対応した資格や実務経験を有し、その営業所に常勤できることなどを確認する必要があります。

他の営業所から人を移す場合には、移動元の営業所で要件を欠かないかも確認します。1人の配置を変えることで、別の営業所や別の許可業種に影響が出ることがあるためです。

1つの変更によって複数の届出書類が必要になることがある

変更届は、変更した項目を1か所書き換えるだけの手続きとは限りません。1つの変更が、役員、常勤役員等、営業所技術者等、令3条使用人、営業所の届出など、複数の項目に影響することがあります。

例えば、退任する取締役が常勤役員等を兼ねていれば、役員変更だけでなく、常勤役員等の変更も必要です。後任者については、経営経験や常勤性を証明する資料も準備しなければなりません。

従たる営業所を廃止する場合も、営業所の廃止だけで手続きが終わるとは限りません。様式第22号の2による営業所廃止の届出に加え、令3条使用人に関する書類も提出する必要があります。

また、その営業所に配置していた営業所技術者等を削除する場合は、様式第22号の3による届出が必要です。ただし、その人が別の営業所または別の許可業種で引き続き営業所技術者等となる場合は、様式第8号による変更として届け出ます。

このように、会社で起きた変更と、提出する届出書の数は必ずしも1対1ではありません。廃止する営業所だけで取り扱っていた許可業種がないかも見た上で、必要な書類を判断することが重要です。

期限後の届出では追加書類を求められることがある

提出期限を過ぎても、届出義務がなくなるわけではありません。遅れたことに気付いた場合は、そのまま次の更新まで待たず、速やかに管轄の建設事務所へ対応を確認する必要があります。

福島県で当事務所が対応した範囲では、期限を過ぎた届出について、遅れた経緯や理由を記載した書面の提出を求められることがあります。書面の名称は、始末書、顛末書、遅延理由書など、事案や提出先によって異なる場合があります。

理由書を付ければ、期限内に提出したことになるわけではありません。いつ変更があり、なぜ遅れ、遅延期間中に許可要件を欠いていなかったかを確認したうえで、必要な届出を提出します。

期限を大きく過ぎている場合や、複数の変更が未提出になっている場合には、提出順序についても確認が必要です。最終的な取扱いは、管轄の建設事務所が個別に判断しますので、届出の前に問い合わせることが重要です。

更新直前に変更届をまとめて提出すると手続きが増える

建設業許可の更新時には、これまで届け出た内容と現在の会社の状態が一致しているかを確認します。未提出の変更があれば、実務上、先に変更届を提出し、届出内容を現在の状態に合わせる対応が必要になります。

更新直前に役員変更や営業所変更の未届が判明すると、過去の登記事項証明書、退職者に関する資料、後任者の資格資料などを短期間で集めなければなりません。

複数年にわたって変更が重なっていると、どの変更がいつ生じたのかを確認するだけでも時間がかかります。退職者から資料や説明を得ることが難しくなっている場合もあるでしょう。

変更届の対応に時間を要すれば、更新申請の日程にも影響します。更新時にまとめて対応するのではなく、変更が生じるたびに期限内に届け出ておくことが、結果として最も負担の少ない方法です。

変更を検討している段階での行政書士への相談が重要

行政書士へ変更届を依頼する場合、変更後の相談では期限に間に合わないことがあります。特に2週間以内の届出では、相談を受けた時点ですでに残りの日数が少ないこともあります。

変更内容によっては、登記事項証明書、資格証明書、実務経験を確認する資料、常勤性を示す資料などが必要です。会社や関係者の手元に資料がなく、取得や確認に時間を要することもあります。

役員の交代、営業所の新設・移転・廃止、常勤役員等や営業所技術者等の退職を検討している場合は、変更を実行する前にご相談ください。事前に確認することで、届出期限に間に合わせるだけでなく、変更後も許可要件を維持できるかを確認できます。

当事務所では、福島県知事許可に関する変更届について、変更内容と許可への影響を確認したうえで手続きを進めています。建設業許可に関係する人事や営業所の変更を予定している事業者様は、変更前の段階で当事務所へご相談ください。

 

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