とび・土工・コンクリート工事の範囲を行政書士が解説

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とび・土工・コンクリート工事には、足場や土工、コンクリート工事のほか、くい工事、地盤改良工事、法面保護工事、外構工事、アンカー工事など幅広い工事が含まれます。

建設業法上の建設工事の種類は「とび・土工・コンクリート工事」ですが、これに対応する許可業種は「とび・土工工事業」です。

この記事では、建設省告示と国土交通省の建設業許可事務ガイドラインをもとに、とび・土工・コンクリート工事に含まれる5つの範囲と、類似する工事との主な区分について解説します。

とび・土工・コンクリート工事とは

建設業法では、建設工事を29種類に区分しています。その一つが「とび・土工・コンクリート工事」で、許可業種としては「とび・土工工事業」に対応します。

29業種全体の工事区分については、「建設業許可29業種の工事区分と業種判定を行政書士が解説」で詳しく説明しています。

とび・土工・コンクリート工事の内容は、昭和47年建設省告示第350号で定められています。現在の告示は平成29年11月10日国土交通省告示第1022号による改正後のもので、国土交通省の「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」で現行の内容を確認できます。

また、国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」では、告示で定められた工事内容について具体的な工事を例示し、類似する建設工事との区分の考え方を示しています。現在のガイドラインは令和7年2月1日から適用されています。

とび・土工・コンクリート工事に含まれる5つの工事

告示では、とび・土工・コンクリート工事の内容をイからホまでの5つに区分しています。ガイドラインで示されている主な工事例と合わせると、次のようになります。なお、表の「工事内容」は告示の内容を要約しています。

区分 工事内容(要旨) 工事の例示
足場の組立て、重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事
くい打ち、くい抜き、場所打ぐい くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
土砂等の掘削、盛上げ、締固め等 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
コンクリートによる工作物の築造 コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
その他基礎的ないしは準備的工事 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事

以下では、それぞれの工事内容について具体的に解説していきます。

足場・重量物・鉄骨組立てなどの工事

最初の区分には、足場の組立てのほか、機械器具や建設資材などの重量物をクレーン等で運搬・配置する工事、鉄骨等を組み立てる工事が含まれます。

具体的には、とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事が例示されています。

このうち鉄骨組立て工事は、既に加工された鉄骨を現場で組み立てることのみを請け負う工事です。鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負う場合は、鋼構造物工事の鉄骨工事に区分されます。

鉄骨工事との区分については、「鉄骨工事は鋼構造物工事か、とび・土工・コンクリート工事か」で詳しく解説しています。

くい打ち・くい抜きなどの工事

2つ目は、くい打ち、くい抜き、場所打ぐいを行う工事です。

ガイドラインでは、くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事が例示されています。既製ぐいを打ち込む工事のほか、現場で場所打ぐいを施工する工事も、とび・土工・コンクリート工事に含まれます。

掘削・盛土などの土工事

3つ目は、土砂等の掘削、盛上げ、締固めなどを行う工事です。

具体例として、土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事が挙げられています。地盤を掘削する工事や建築物の基礎部分などを掘る根切り工事のほか、土砂を盛り上げる盛土工事もこの区分に含まれます。

コンクリートによる工作物を築造する工事

4つ目は、コンクリートによって工作物を築造する工事です。

ガイドラインでは、コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事が例示されています。

なお、プレストレストコンクリート工事のうち、橋梁などの土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は、土木一式工事に区分されます。

地盤改良・法面・外構などの工事

5つ目は、告示で「その他基礎的ないしは準備的工事」とされている工事です。

この区分には、前掲の表のとおり、地盤改良、土留め、法面保護、道路付属物の設置、外構、はつり、アンカーなど幅広い工事が例示されています。

地盤改良工事は、薬液注入工事やウエルポイント工事など各種の地盤改良を行う工事の総称です。また、法面保護工事は、法枠の設置などによって法面の崩壊を防止する工事とされています。道路付属物設置工事には、道路標識やガードレールを設置する工事が含まれます。

外構工事も、この区分の工事例として挙げられています。そのほか、コンクリートなどをはつる工事、構造物を切断・穿孔する工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事なども、とび・土工・コンクリート工事に含まれます。

屋外広告物については、現場で製作・加工から設置までを一貫して請け負う工事は鋼構造物工事の「屋外広告工事」に区分され、それ以外の屋外広告物設置工事が、とび・土工・コンクリート工事に該当します。

また、トンネル防水工事などの土木系の防水工事も、とび・土工・コンクリート工事に区分されます。建築系の防水工事は、防水工事として扱われます。

なお、工作物の解体工事は現在、別業種である解体工事に区分されています。もっとも、はつり工事や切断穿孔工事は、解体工事業の新設後も、とび・土工・コンクリート工事の例示に含まれています。

撤去する工事がどの業種に該当するかについては、「【相談事例】撤去工事には解体工事業の許可が必要か」で詳しく解説しています。

類似する工事では許可業種が異なる場合がある

とび・土工・コンクリート工事の例示には、他の建設工事にも同じような名称や施工方法の工事があります。

国土交通省のガイドラインでは、こうした工事について業種を区分する考え方が示されています。ここでは、コンクリートブロック工事と吹付け工事について確認します。

コンクリートブロック工事は施工内容によって業種が異なる

コンクリートブロックを使用する工事は、施工内容によって、とび・土工・コンクリート工事、石工事、タイル・れんが・ブロック工事に区分されます。

根固めブロックや消波ブロックなど、土木工事で規模の大きいコンクリートブロックを据え付ける工事や、プレキャストコンクリートの柱や梁などを設置する工事は、とび・土工・コンクリート工事の「コンクリートブロック据付け工事」に該当します。

建築物の内外装として擬石などを張り付ける工事や、法面処理または擁壁としてコンクリートブロックを積み、張り付ける工事は石工事に区分されます。

また、コンクリートブロックによって建築物を建設する工事などは、タイル・れんが・ブロック工事に区分され、エクステリア工事として施工する場合も含まれます。

外構工事そのものは、とび・土工・コンクリート工事の例示に含まれていますが、外構としてコンクリートブロックを施工する場合には、この区分を確認する必要があります。

吹付け工事は施工対象によって業種が異なる

「吹付け工事」は、とび・土工・コンクリート工事と左官工事の双方に例示されています。

とび・土工・コンクリート工事における吹付け工事は、法面処理などのためにモルタルまたは種子を吹き付ける工事です。モルタル吹付け工事と種子吹付け工事がこれに含まれます。

建築物にモルタル等を吹き付ける工事は、左官工事に区分されます。

とび・土工工事業には幅広い工事が含まれる

とび・土工・コンクリート工事は、告示によって5つの工事内容に区分されています。

足場や重量物の運搬配置、鉄骨組立て、くい打ち、掘削・盛土、コンクリート工事のほか、地盤改良、法面保護、外構、はつり、切断穿孔、アンカーなども対象となります。

特に「その他基礎的ないしは準備的工事」には多くの工事が例示されています。屋外広告物設置工事や土木系の防水工事など、名称からはとび・土工工事業との関係が分かりにくい工事も含まれます。

また、コンクリートブロック工事や吹付け工事のように、施工内容によって他の建設工事に区分されるものがあります。とび・土工・コンクリート工事に該当する範囲を確認する際は、告示で定められた工事内容と、建設業許可事務ガイドラインで示された例示や区分の考え方を確認する必要があります。

 

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