
経営事項審査の技術力Z点は、総合評定値P点の算定上、完成工事高X1と並んで最も大きい25%のウエイトを占めます。Z点は技術職員数と元請完成工事高から算定され、そのうち技術職員数の評価が80%を占めます。
技術職員は、人数だけでなく保有資格等によって1人当たりの評価が変わります。また、元請完成工事高が増えることもZ点を上げる方向に働きます。
この記事では、技術職員数と元請完成工事高がどのようにZ点へ反映されるのか、評点が上がる要因、総合評定値P点への影響を具体例とともに解説します。
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Z点は技術職員数と元請完成工事高で決まる
Z点は工事業種ごとに算定され、次の算式で求めます。
Z=技術職員数の点数(Z1)×0.8+元請完成工事高の点数(Z2)×0.2
技術職員数の点数と元請完成工事高の点数は、それぞれ所定の換算式によって算定します。なお、経営事項審査の関係通達や最新の改正資料は、国土交通省「経営事項審査」から確認できますので参考にしてください。
技術職員数は人数と資格等で評価される
Z点のうち80%を占める技術職員数の評価では、技術職員の人数と保有資格等をもとに技術職員数値を算定します。技術職員として評価される業種数や雇用期間には要件があります。
技術職員は1人1点から6点で評価される
技術職員は、その業種について保有する資格等に応じて1人当たり1点から6点で評価されます。同じ人数でも、保有資格等の構成によって技術職員数値は変わります。
| 技術職員の区分 | 点数 |
|---|---|
| 1級監理受講者 | 6点 |
| その他の1級技術者 | 5点 |
| 監理技術者補佐 | 4点 |
| 登録基幹技能者、CCUSレベル4等 | 3点 |
| 2級技術者、CCUSレベル3等 | 2点 |
| その他の技術者 | 1点 |
なお、登録基幹技能者やCCUSレベル4技能者であっても、1級技術者や監理技術者補佐として上位の区分に該当する場合は、その区分で評価されます。
6点となる1級監理受講者は、建設業法第15条第2号イに該当する者で、監理技術者資格者証の交付を受け、所定の監理技術者講習を修了していることが必要です。
講習については、修了日から5年後の12月31日までの間に審査基準日が含まれていなければなりません。
技術職員数値をZ1に換算する
1人当たり1点から6点までの点数を合計したものが技術職員数値です。この数値を区分ごとの算式が定められた換算表に当てはめて、Z点の計算に使用する技術職員数の点数Z1を算定します。
例えば、2級技術者が1級技術者となり、1人当たりの評価が2点から5点に上がっても、Z点がそのまま3点上がるわけではありません。資格取得による効果は、会社全体の技術職員数値によって異なります。
技術職員を評価できるのは1人2業種まで
複数業種で経営事項審査を受ける場合、1人の技術職員について加点対象とすることができるのは2業種までです。1つの資格で2業種を選択することもできますが、1つの業種について2つの資格を重複して選択することはできません。
そのため、複数業種の資格要件を満たす職員がいる会社では、どの業種でその職員を評価するかを申請前に検討する必要があります。
技術職員には6か月を超える雇用関係が必要
技術職員として計上するには、審査基準日以前に6か月を超えて継続して在籍し、恒常的な雇用関係があることが必要です。技術職員として計上するには、原則として審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係が必要です。したがって、有資格者を採用しても、雇用期間によっては直後の経審で技術職員として評価できない場合があります。
福島県知事許可業者が申請する際は、福島県「経営事項審査申請様式等ダウンロード」に掲載されている最新の手引と確認書類を参照してください。
元請完成工事高はZ点の20%を占める
Z点では、工事業種ごとの年間平均元請完成工事高も評価されます。元請完成工事高を所定の換算式によってZ2へ換算し、その20%がZ点に反映されます。
元請完成工事高は元請工事が対象
元請完成工事高は、発注者から直接請け負った工事の完成工事高です。下請として施工した工事の完成工事高は、Z2の元請完成工事高には含まれません。
元請完成工事高が増えればZ2は上がる方向に働きます。ただし、Z点に占める割合は20%であるため、技術職員数の評価と比べるとウエイトは小さくなります。
元請完成工事高の2年平均・3年平均と業種間積み上げ
元請完成工事高は、直前2年または直前3年の年間平均額で評価します。2年平均・3年平均の選択は、X1の完成工事高と同じ方法を用います。
また、完成工事高について業種間積み上げを行う場合は、元請完成工事高についても同様に扱います。2年平均・3年平均や業種間積み上げについては、経営事項審査の完成工事高と業種間積み上げを解説 で詳しく説明しています。
Z点はP点に25%反映される
総合評定値P点は、X1、X2、Y、Z、Wの各評点に所定の係数を掛けて算定します。
P=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.20+Z×0.25+W×0.15
Z点の係数は0.25です。さらにZ点を分解すると、算式上、技術職員数Z1の係数はP点に対して0.20、元請完成工事高Z2の係数は0.05となります。
1級技術者が5点から6点になった場合
ある業種について技術職員が1級技術者1人だけで、年間平均元請完成工事高が0円の場合を例にします。
1級技術者として5点で評価される場合、技術職員数値は5です。換算式によるZ1は572点、元請完成工事高0円のZ2は241点となるため、Z点は次のとおりです。
572×0.8+241×0.2=505.8 → 505点
この技術職員が1級監理受講者として6点で評価されると、Z1は584点となります。
584×0.8+241×0.2=515.4 → 515点
この例ではZ点が10点上がります。P点の算式ではZに0.25を掛けるため、他の条件が同じであれば、P点への影響は計算上2.5点分です。このように、資格上の1点の増加とZ点・P点の増加は一致しません。
Z点を上げるために確認したいポイント
Z点を上げる方向としては、技術職員を増やすこと、上位資格を取得すること、1級技術者が1級監理受講者の要件を満たすこと、元請完成工事高を増やすことなどが考えられます。
一方、技術職員には1人2業種までという制限があり、雇用期間にも要件があります。複数業種で経審を受ける場合は、どの資格者をどの業種に計上するかも含めて申請前に確認することが重要です。
当事務所では、福島県知事に対する経営事項審査の申請に対応しています。申請をご検討の方は、福島県で経営事項審査を受けたいとお考えの方へをご確認ください。





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行政書士 佐藤勇太
