
二本松市の令和9・10年度建設工事入札参加資格審査申請は、2026年(令和8年)11月2日から11月30日まで受け付けられます。今回の受付は定期受付で、初めて入札参加資格を申請する会社だけでなく、現在の登録を継続したい会社も対象となります。
二本松市が発注する公共工事の入札に参加するためには、参加したい工事に必要な建設業許可を受け、経営事項審査を受審したうえで、二本松市の入札参加資格者名簿に登録する必要があります。
また、名簿への登録後も、個別の工事ごとに所在地区分、資格総合等級、手持ち工事件数などの参加要件を確認しなければなりません。特に、二本松市の建設工事の制限付一般競争入札では、特別な場合を除き、市内業者と準市内業者が参加対象となる点に注意が必要です。
この記事では、二本松市の公共工事への参加を考えている建設業者様を対象として、建設業許可、経審、入札参加資格申請、実際の入札までの手続きを順番に解説します。
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二本松市の入札に参加するまでの流れ
二本松市の公共工事に新たに参加する場合、主な流れは次のとおりです。建設業許可と経審の手続きを済ませた後も、名簿登録や電子入札の準備が必要となります。
- 参加したい工事に必要な建設業許可を確認する
- 経営事項審査を受ける
- 二本松市へ入札参加資格審査申請を行う
- 入札参加資格者名簿に登録される
- 電子入札の利用者登録を行う
- 個別の入札公告で参加要件を確認する
- 電子入札システムから入札する
現在、二本松市では令和7・8年度の建設工事入札参加資格者名簿が公表されています。市内、準市内、安達管内、県北管内、県中管内など、所在地によって名簿が区分されています。
これまで民間工事を中心に施工してきた会社では、経営事項審査を初めて受けるところから準備する場合があります。経審の前には決算変更届や経営状況分析などの手続きもあるため、入札参加資格申請の受付時期から逆算して進めることが重要です。
建設業許可と経営事項審査を確認する
二本松市の建設工事の制限付一般競争入札では、対象となる工種ごとに建設業許可を受けていることが参加資格要件として定められています。そのため、まずは自社が受注を希望する工事と、現在取得している建設業許可の業種が対応していることを確認しなければなりません。
建設業許可の業種と参加する工種を確認する
建設業法では、建設工事を土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、舗装工事など29業種に区分しています。
一方、二本松市建設工事等発注基準では、土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、舗装工事、水道施設工事の6工種について、制限付一般競争入札実施要綱の別表第1に定める要件を満たすことが求められています。別表に掲載されていない工種は、発注の都度、参加要件を定めるとされています。
したがって、公共工事への参加を検討するときは、建設業許可の業種だけで判断せず、実際に参加する工事の公告で工種や許可要件を確認することになります。
令和9・10年度の入札参加資格申請では、登録を希望する工種について、建設業許可を受けていることに加え、その工種の経営事項審査に係る総合評定値を有していることが必要です。
また、委任先の営業所で登録する場合は、その営業所で登録希望工種の建設業許可を受けていなければなりません。申請できる工種の詳細は、二本松市の令和9・10年度入札参加資格審査申請受付業種一覧で確認できます。
※ 建設業許可の業種区分については、当事務所の建設業許可29業種の工事区分と業種判定を行政書士が解説で詳しく説明しています。
経審は有効期間を切らさずに受ける
二本松市における建設工事の入札参加資格の認定は、経営事項審査を基に行われています。経審の有効期間は審査基準日から1年7か月です。
二本松市は、建設工事の入札参加を希望する事業者に対して、有効期間が切れないよう決算期ごとに経審を受け、更新した経営事項審査結果通知書を速やかに市へ提出するよう案内しています。
また、二本松市では、更新した経営事項審査結果通知書の内容が入札参加資格に反映されるのは、原則として提出した翌月1日からとなります。有効期間が切れる前に、余裕を持って提出することが重要です。
経審では工事種類ごとに総合評定値Pが算出されます。経審の評価方法については、当事務所の経営事項審査の総合評定値P点を行政書士が解説でも説明しています。
令和9・10年度の入札参加資格申請
建設業許可と経審の準備ができたら、二本松市へ入札参加資格審査申請を行います。申請の受付区分や資格の有効期間は、二本松市入札参加資格審査実施要綱で定められています。
同要綱では、申請書等の受付期間を毎年11月1日から11月30日までとし、西暦偶数年を定期受付、西暦奇数年を追加受付としています。定期受付で認定された資格の有効期間は、翌年度の4月1日から2年間です。
令和8年は西暦2026年ですので定期受付の年に当たります。令和9・10年度の入札参加資格への登録を予定している会社は、今回の受付期間内に申請する必要があります。
受付期間と申請方法
令和9・10年度の入札参加資格審査申請について、二本松市が公表している受付期間と提出方法は次のとおりです。申請書類は市指定の様式で作成し、郵送または持参により提出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受付期間 | 令和8年11月2日(月)~11月30日(月) |
| 受付区分 | 定期受付 |
| 提出方法 | 郵送または持参 |
| 郵送の場合 | 11月30日消印有効 |
| 持参の場合 | 持参の場合土日祝日を除く |
| 提出先 | 二本松市総務部財政課契約係 |
| 所在地 | 〒964-8601 福島県二本松市金色403番地1 |
| 資格の有効期限 | 令和11年3月31日 |
申請書類を持参した場合は受領のみとなり、その場で書類の確認や審査は行われません。また、受付期間を過ぎた申請は受け付けられないと案内されています。
申請の手引きや様式は、二本松市の令和9・10年度入札参加資格審査申請受付(定期受付)から取得できます。なお、安達地方広域行政組合が発注する建設工事等への参加を希望する場合は、同組合へ別途申請する必要があります。
申請前に納税や社会保険の状況も確認する
入札参加資格審査には、建設業許可や経審以外の要件もあります。二本松市入札参加資格審査実施要綱では、市町村税や法人税、消費税、地方消費税を完納していること、営業開始から2年を経過していることなどが定められています。
また、建設工事について資格審査を受ける事業者では、健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、適用事業所等に該当する場合に必要な届出を行っていることも求められます。
建設工事では技術者や工事実績の資料も提出する
二本松市入札参加資格審査実施要綱では、建設工事の申請について、建設工事有資格技術者調票、技術者名簿、技術者経歴書、工事経歴書、完成工事高集計表、営業所に配置する専任技術者一覧、営業所一覧表などの提出を定めています。
そのほか、建設業の許可を受けていることを証明する書面、経営事項審査結果通知書、直前2か年の財務諸表、登記事項証明書、納税証明書なども必要です。
今回の申請では、経営事項審査結果通知書を2部提出します。 提出する通知書は、審査基準日が申請書の提出日から逆算して1年7か月以内のものである必要があります。また、財務諸表は令和8年7月1日以前の決算期2期分が必要です。
市内・準市内での登録を希望する場合は技術者名簿を2部提出し、準市内登録を希望する場合には所在地証明書も必要となります。また、営業所一覧表は営業所等が複数ある場合に提出する書類で、委任先を定める場合には委任状も必要です。
提出書類は市指定の確認票に従って整理し、青色A4サイズの個別フォルダーや返信用封筒なども準備します。経審と共通する資料も多いため、これから公共工事への参入を考えている場合は、経審から入札参加資格申請までを見据えて資料を準備すると進めやすくなります。
登録内容に変更が生じた場合
入札参加資格の申請後、商号、所在地、代表者、入札参加希望業種などに変更が生じた場合は、二本松市へ変更届を提出する必要があります。
入札参加希望業種を追加する場合は、変更届のほか、経営事項審査結果通知書や追加工種の建設業許可証明書、技術者経歴書、工事経歴書などの提出が求められます。
また、市内・準市内の登録業者については、技術者の新規雇用や退職、資格取得などにより登録技術者に変更が生じた場合にも、所定の届出が必要です。詳しくは、二本松市の入札参加資格登録内容変更手続きを参照してください。
名簿登録後は個別の入札参加資格を確認する
入札参加資格者名簿への登録後は、参加を希望する工事の公告で個別の要件を確認します。ここは、二本松市の公共工事へ新規参入する会社にとって特に重要です。名簿への登録と、実際の制限付一般競争入札への参加は分けて考える必要があるからです。
制限付一般競争入札は市内・準市内業者が原則
二本松市建設工事等発注基準では、建設工事の制限付一般競争入札について、特別な場合を除き、市内業者と準市内業者を参加対象としています。
市内業者とは、二本松市内に本社または本店を有する事業者です。また、準市内業者とは、市外に本社または本店があり、二本松市内の支店または営業所の代表者に、見積り、入札、契約締結、契約代金の請求・受領の権限を与えている事業者をいいます。
ただし、準市内業者が参加できる工事には、設計金額による制限があります。二本松市制限付一般競争入札実施要綱の別表第1では、一定金額未満の工事について、市内業者だけを参加対象としています。
| 工事種別 | 市内業者に限られる設計金額 |
|---|---|
| 土木一式・建築一式 | 8,000万円未満 |
| 管・水道施設 | 5,000万円未満 |
| 舗装・電気 | 3,000万円未満 |
また、工事の設計金額に応じて、参加できる資格総合等級も定められています。詳しくは、二本松市の制限付一般競争入札実施要綱(別表第1)を参照してください。
準市内業者については、当分の間、建設工事では、過去に二本松市(合併前の旧4市町を含む)が発注した工事を元請として受注した実績を有する者に限るとされています。ただし、特定建設工事共同企業体への工事の発注において公告で定める場合は、この限りではありません。
一方、現在の建設工事入札参加資格者名簿には、県北管内、県中管内、福島県内、県外などの事業者も登録されています。そのため、入札参加資格者名簿に登録されていることと、個別の制限付一般競争入札へ参加できることは、それぞれ確認する必要があります。
資格総合等級や手持ち工事件数も確認する
二本松市では、市内・準市内業者について、土木一式工事、舗装工事、建築一式工事、管工事、水道施設工事、電気工事の6工種を対象として資格総合等級を設定しています。
資格総合等級は、経営事項審査の総合評定値を基礎とする客観点数と、工事成績や地域貢献などを点数化した主観点数を基に格付けする仕組みです。
また、二本松市発注の建設工事について、手持ち件数は各工種で原則3件までとされています。ただし、災害復旧工事や、品質確保・競争性確保のため必要な場合などには例外があります。個別の入札では、これらに加えて工事ごとに定められた要件を確認しなければなりません。
名簿登録後は電子入札の準備を行う
二本松市では、令和7年12月から、財政課契約係が公告・指名する建設工事と建設事業に係る業務委託について、電子入札システムの運用を開始しています。
電子入札を利用するには、ICカードやカードリーダーなどを準備したうえで、電子入札システムの利用者登録を行います。
利用者登録には二本松市が公表する業者番号を使用します。委任先を設定して入札参加資格登録をしている場合は、委任先の業者名・代表者名のICカードで登録する必要があります。操作方法や業者番号については、二本松市の電子入札システムポータルサイトで確認できます。
なお、二本松市では当面の間、ICカードや環境設定の準備が間に合わない場合について、特例として紙入札を受け付けています。「紙入札等承認願」も市のポータルサイトで公表されています。
小規模な維持修繕工事には別の登録制度がある
通常の建設工事の入札参加資格とは別に、二本松市には「小規模契約希望者登録制度」があります。令和8・9年度は、契約金額100万円未満で、内容が軽易かつ履行の確保が容易な契約が対象です。
建設業者に関係するものとして維持修繕工事があり、登録された事業者は、市が小規模な契約を発注する際の業者選定の対象となります。
対象者は、二本松市内に本社または本店がある事業者です。また、二本松市入札参加資格者名簿の建設工事に登録されている事業者は、維持修繕工事について小規模契約希望者登録を申請できません。
既に小規模契約希望者登録の維持修繕工事に登録されている事業者が、今回の建設工事入札参加資格申請によって登録された場合は、維持修繕工事の登録が職権で抹消されます。
令和8・9年度の定期受付は終了していますが、現在も随時申込みを受け付けています。具体的な要件や申請様式は、二本松市の小規模契約希望者登録申請についてで確認できます。
これから二本松市の公共工事の受注を目指す会社であれば、自社で対応できる小規模な工事を着実に施工し、市との取引実績や信頼を積み重ねていくことも1つの方法だと考えます。なお、小規模契約の受注実績が入札参加資格や資格総合等級へ直接加点される制度であるという意味ではありません。
令和9・10年度の申請に向けて準備する
二本松市の公共工事に新たに参加する場合は、受注したい工事に必要な建設業許可を確認し、経営事項審査を受けたうえで、二本松市の入札参加資格審査申請を行います。
その後も、個別の工事について所在地区分、資格総合等級、手持ち工事件数などを確認します。特に制限付一般競争入札では、市内・準市内業者を原則とする参加要件があるため、名簿への登録と実際の入札参加を分けて確認することが重要です。
令和9・10年度の定期受付は、令和8年11月30日が申請期限です。これから初めて経審を受ける会社では、決算変更届や経営状況分析から準備することになります。
また、既に経審を受けている会社でも、登録を希望する工種の総合評定値や結果通知書の有効期間、提出書類の内容を確認しておきましょう。
当事務所では、二本松市の公共工事への参加を検討している建設業者について、建設業許可、経営事項審査、入札参加資格審査申請に対応しています。
「建設業許可は取得しているが経審を受けたことがない」「令和9・10年度から二本松市の公共工事への参加を考えている」といった場合には、現在の許可や決算状況を確認したうえで、必要な手続きをご案内します。
建設業許可の新規取得については建設業許可申請の業務案内、経審については経営事項審査の業務案内もご参照ください。
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行政書士 佐藤勇太
